大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和33(オ)169 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人木田州又の上告理由第一点について。

本件宅地が、もと訴外Dの所有で、同訴外人から被上告人がこれを買受けたもの

である旨の原判示事実は、その挙示の証拠に照らしこれを是認できる。それ故、こ

の点に関する所論は、原審の適法にした証拠の取捨、事実の認定を争うものであつ

て、採るを得ない。また、原審の確定したところによれば、訴外Eは、被上告人が

前記のごとく右Dから買受けた本件宅地を、E自身が右Dから買い受けたものであ

ると偽つて、上告人A1に対し、原判示のごとき代物弁済に供したというのである

から、同上告人及び同上告人から右宅地を譲受けたと主張する上告人A2の両名は、

本件宅地に関し、何ら有効な取引関係に立つものではなく、従つて右両名がいずれ

も民法一七七条にいわゆる第三者に当らないとした原審の判断は正当であつて、こ

の点に関する所論は理由がない。

同第二点、第三点について。

原審の認定したところによれば、訴外Eは、本件土地を訴外Dから買い受けたも

のであると偽つて、上告人A1に対しこれを代物弁済に供したというのであり、そ

して、原審は、右Eが、右Dの代理人として右契約を締結したものと認むべき証拠

は存しないと判示している。右原審の判断は、その挙示の証拠により是認できる。

しかるに、所論は右Eが訴外Dの代理入であるというのであるから、原判示に副わ

ない事実に立脚して原判決を非難するものであり採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

- 1 -

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 高 木 常 七

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!